理事長挨拶
ご挨拶
樋口恵子 名誉理事長
「高齢社会をよくする女性の会」は何よりも、女性の自立と豊かな老いを全うできる新たな高齢社会の創造を目指して、活動してまいりました。
にも関わらず、会が成熟するにつれ、会員の高齢化はいたし方ありません。私も卒寿を過ぎ、身を引くことを決意いたしました。どの会も後継者不足に悩んでいると聞きますが、幸いなことに本会は、新しい理事長の元、若い方たちが牽引役となって会を維持し、刷新してくださいます。
どうか皆様も御力をお貸しいただきますよう、切にお願い申し上げます。
志を継いで 幸せな「人生100年時代」の実現へ
NPO法人高齢社会をよくする女性の会
理事長 木村民子
2024年6月の総会において樋口恵子理事長の後任として選出されました木村民子です。
当NPO法人が設立されて、20年が経過しました。その前身は樋口恵子さんをはじめ先輩方が立ちあげた「高齢社会をよくする女性の会」です。
「男は仕事、女は家庭」という性別役割分業の意識がまだ色濃く残っていた当時、女性たちが立ち上がり、異議を唱え始めました。そして1983年、「第1回老人問題シンポジウム」を開き、とりわけ家庭の中で介護の重荷をを一身に背負わされていた嫁たちが、本音で語りあったのです。
それから2年後には、女子差別撤廃条約が批准され、翌年「男女雇用機会均等法」が施行されました。女性の自立が叫ばれ、女性の視点を生かした法律が矢継ぎ早に制定され、時代が大きく変わろうとしていました。
そのような時代の中で、当会は介護の重圧から女性を解放したいと「介護の社会化」を訴え続け、それは国をも動かしたのです。
2000年に介護保険法施行、この時私は区議会議員に初当選、自治体が担う介護保険の制度設計について、必死に取り組んでいました。
その介護保険創設から早25年経ち、この間当会は2005年にNPO法人として衣替えし、新たな時代へ対応するためのスタートを切りました。
今や「人生100年時代」を全うしている高齢者は少なくありません。厚生労働省の調査ではここ3年ほど平均寿命も健康寿命も延伸しています。
いわば日本は世界中のどの国も経験したことのない、超高齢社会の最先端におります。どうしたら誰一人置き去りにしない、幸せな人生を全うすることができるのでしょうか。そのための解決の糸口を、私たちも探し続けます。
一つには直面している介護保険をよりよい制度に改定していくことです。
また、高齢者の人権を守り、調査研究を進め、国へ政策提言を行います。
人生の先輩として、若い世代との交流を積極的に進めていきます。
またジェンダー平等意識の醸成に努め、男性をも巻き込んで、「男女共同参画」社会の実現を目指します。
私は1995年の北京で開かれた第4回世界女性会議に、当会から参加し、世界の女性たちの溌剌とした活躍ぶりを目のあたりにして大いに触発されました。以来当会と歩みを共にしており、この度重責を担うこととなりました。
これを機にホームぺージをリニューアルし、新たな情報発信に努めてまいります。先輩方の志を受け次ぎ、皆様と共に歩み、様々な団体とも連携して、幸せな超高齢社会の実現に力を尽くしたいと思います。皆様のご支援、ご協力をよろしくお願い申し上げます。
代表:木村民子(きむら たみこ)プロフィール
1948年東京生まれ、お茶の水女子大学卒業、書籍編集、雑誌記者を経て某損保会社の女性会員組織の企画運営に当たる。その後区議会議員2期、元女性と仕事の未来館解説員を経て和洋女子大学非常勤講師。現在熱海市の山に夫と二人暮らし。
ジェンダー視点の著書多数。主な著書に『100歳までに読みたい100の絵本』など。