先日、坂東玉三郎さんのトークショーに足を運んできました。

以前から玉三郎さんが好きで歌舞伎座や南座に行くこともありましたが、コロナ渦で観劇から遠ざかっていました。ところが近くの劇場でトークショーと素踊りの催し物があると知り、何とかチケットを手に入れました。運良く手にしたのは、舞台からほど近い前から3列目の中央席。ワクワクした気持ちで幕が上がるのを待ちましたが、そこでいただいた「贈り物」は、期待を遥かに超える重みのあるものでした。

舞台中央に、柔らかなスーツ姿で凛と座る玉三郎さん。その佇まいは、女形の衣装を纏わずとも、内側から滲み出るような品格がありました。

芸一筋、ストイックに歌舞伎や日本舞踊を極めてこられた印象が強い玉三郎さんですが、その口から語られたある言葉に、私は思わずハッとしました。

「世の中のことを置き去りにして、舞台に立つことはできない」

伝統の世界に生きる方だからこそ、世情とは切り離された空間に身を置いているのかと思いきや、事実は正反対でした。常に世の中の動きに目を向け、海外を含め自ら足を運び、多様な文化や価値観を吸収しようと努めておられるというのです。

50代からの挑戦 内面からの美をみつける

驚きはそれだけではありません。50代からスキューバダイビングを始められたとのこと。水中での優雅な映像も見せていただきましたが、それは単なる趣味ではなく、重力の影響を受けない空間で関節を広い範囲で柔らかく動かす、これは舞台に立つための体作りの一環。

また歌唱もされていて、井上陽水さんの曲などお好きな歌を自ら歌われ、いわゆるミュージックビデオもご披露くださいました。

一つの道を極めるということは、決してその道だけを見ることではない。 多方面からの努力、広い視野、そして飽くなき好奇心。それらが混ざり合い、結晶となって、あの圧倒的な「映像美」や「内面から醸し出される美しさ」を作り上げているのだと、深く合点がいきました。

WABASの仲間たちに通じる「気概」

このお話を聞きながら、私はふと、WABASで共に活動する皆さまの顔を思い浮かべました。

会員の皆さまも、これまで一つの専門分野や家庭、仕事という枠に留まらず、多様な観点から世の中を見つめ、社会を良くしたいという思いで活動に参加されておられるのだと思います。玉三郎さんが「世の中を置き去りにしない」と言われたその姿勢は、まさに私たちが大切にしている「社会への主体的な関わり」に通じるものがあるのではないでしょうか。

前回のこの欄にも書きましたように、本会では
  今年 11月29日に<全国大会IN東京>を開催します。
  テーマは「女性が拓く未来の社会」
様々な観点、多方面で活躍する女性の視点から世界を拡げていきたいと思っております。どうぞみなさまのスケジュールに入れていただき、みなさまの内面からの輝きの一助にしていただきたいと思います。
是非、当日は会場でお会いしましょう!