2025年の締めくくり、WABAS恒例 討ち入りシンポ の司会をさせて頂きました。
今年のテーマは、
「今を生きる私たちの戦後80年~記憶をつなぐ 言葉をつむぐ」。
体験談14編を、原則ご本人の朗読という形式で参加者が傾聴するという趣向です。

私は今まで、学会や会合・総会、祝賀会など様々な司会を経験してきました。司会者として壇上より客席を見ていると、色々な光景が見えてくるのです。人々の普段と違う表情を垣間見てしまって驚くこともありました。
参加者同士の話し声があちこちでしたり、出入りで落ち着かないことや笑い声まで聞こえることもあり、まあ様々気になることも多いのです。
WABASの会でも、会員さんが久々に会われた際など、おしゃべりでざわつくことも正直あり、今日のテーマだと、落ち着かないと困るな、と多少案じていたのでした。

WABAS恒例 討ち入りシンポ

しかしこの日は、最初から会場全体が不思議な緊張感に包まれていました。
体験談の朗読では、ひとこと一言を聞き逃すまいと集中していく空気が感じられ、実際に体験した本人の声で語られる、とつとつとした語りとその真実の言葉が、会場の雰囲気をさらに引き締めているような感じさえしました。
参加者には実際に戦争を経験したことのない世代も多く、真剣な表情で「聞く」という事に集中している様子が壇上からよくわかりました。
全員の朗読が終わった後で、客席からのご意見を伺いました。
今回体験者から得たことをこれからの世代にどう伝えていくか?に言及した方もおられて、このテーマで開催したことの大切な意味を一緒に考えることが出来ました。

いつも感じることなのですが、催し物の最後の客席からの発言の場面では、WABASの会員さんが多彩で多才、物事の核の部分を素早くとらえて議論が発展していく、しかし議論のための議論ではなく、底には温かい情愛が流れている。
今回も例外ではなく、引き締まった雰囲気の中で、ご発言をいただき、司会の私が思わず相槌を打ちたくなるような、幸せな場面がありました。

2026年は東京で全国大会が開催されます。
一人でも多くの会員さんが、実際に会って、現実を共有して、そこから沢山の議論を経て、若者と共に未来を語る、そんな大会になるよう期待しています。

2026年、みなさまが愛に包まれ平和に過ごされますよう、祈っております。